第551話だまされやすい

「本当に、私を手放せるの?」

レンはすっかり目が覚めていた。

さっきまで嫌な記憶が、何度も何度も脳裏を駆け巡っていた。けれど同時に、彼がまるで神のように現れて自分を救い出した光景も、繰り返し頭の中で再生されていた。

レンは彼を見つめ、まっすぐ言葉を投げた。

アーロンは、彼女の言葉に腹を立てたりはしなかった。

それどころか、申し訳なさそうに目を伏せて言った。「すまない。俺がいなければ、君は誘拐なんてされなかった。本当は、俺と付き合うことを考えてほしくて……そう言おうとしてた。でも今となっては、俺にはその資格がない気がする。俺と一緒にいても、君にいいことなんて何ひとつ――」

そう口にし...

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